保護犬が震えるのはなぜ?うちのコが震えだしたのは数日後
保護犬を迎えて数日。
少しずつ家にも慣れてきたかな、と思っていたころ、うちのコがブルブル震えていることに気づきました。
「怖いのかな?」
「まだ私たちにも慣れてない?」
「どうしてあげたらいいんだろう」
震えている姿を見ると、心配になりますよね。
わが家が迎えたのは、推定5歳の保護犬でした。
ところが意外なことに、迎えた初日はほとんど震えていません。
「ここどこ? なに? だれ? ……」
そんなふうに、怖がるというより戸惑っているように見えました。
初めてはっきり震えていることに気づいたのは、迎えてから初めてトリミングへ連れて行ったときです。
その後も、来客や病院、雨や雷、強い風の音など、いつもと違うことがあると震えることがありました。
6年間一緒に暮らして振り返ると、震えていたからといって、私たちに懐いていなかったわけではないと思っています。
この記事では、うちのコがどんなときに震えていたのか、わが家ではどう対応したのかを、実際の体験をもとにお話しします。
あわせて、犬が震えるときに考えられる原因や、体調不良を疑ったほうがいいケースについても紹介します。
保護犬が震えるのは「懐いていないから」とは限らない
保護犬がブルブル震えていると、
「この家が怖いのかな」
「私たちのことも怖いのかな」
と心配になるかもしれません。
でも、震えている=飼い主に懐いていない、と決めつけなくても大丈夫です。
犬は不安や恐怖、緊張などで震えることがあります。また、寒さや痛み、体調不良などが原因になることもあります。
大切なのは「保護犬だから怖がっているんだ」とひとまとめにせず、どんなときに震えているのか、ほかにいつもと違う様子はないかを見ることです。
うちのコの場合、家族だけでいつも通り過ごしているときに震えることは、ほとんどありませんでした。
震えたのは、知らない場所へ行ったとき、知らない人が来たとき、雷や強い雨・風の音がしたとき。
振り返ってみると、そこにはいつも「普段とは違う何か」がありました。
ただ、それに気づいたのはずっと後のこと。
初めて震えているのを見つけたときは、
「え、どうしたの?」
本当にそれくらい、何が起きているのかわかりませんでした。
うちのコが初めて震えたのはトリミングでした
うちのコが震えていることに初めて気づいたのは、迎えてから初めてトリミングへ連れて行ったときでした。
お店に着いて、順番を待っていたときのことです。
ほかにお客さんもいなくて、店内はシーンと静か。
すると、
「ちんちろ、ちんちろ……」
どこからか小さな音が聞こえてきました。
「ん? なんの音?」
よく見ると、うちのコの首輪についている鈴が鳴っています。
え、首輪が勝手に鳴ってる。……震えてる!
体が細かくブルブル震えて、その揺れで鈴が鳴っていたんです。
迎えた初日は、こんなふうに震えることはありませんでした。
知らない家に連れてこられて、知らない人に囲まれているのに、怖がるというより、
「え? え? ここどこ? なに? だれ?」
と、ただただ戸惑っているように見えました。
それなのに、数日たって初めて行ったトリミングではブルブル。
当時は「なんで?」と思っただけで、その違いの意味までは考えていませんでした。
その後一緒に暮らしていくうちに、トリミングだけではなく、知らない人や知らない場所、聞き慣れない音など、いつもと違うことがあると震えるコなんだと少しずつわかってきました。
次にそれを感じたのが、友人が家に遊びに来たときでした。
友人が来ると、膝の上でブルブル震えていた
知らない場所だけではなく、知らない人が家に来たときにも震えることがありました。
友人が遊びに来たとき、うちのコは固まったようになっていたので、とりあえず抱っこしてみることに。
すると私の膝の上で、友人をじーっと見ながらブルブル震えています。
「そんなに怖いのかな……」
少しでも「この人は怖い人じゃないよ」と思ってもらえたらと、友人からおやつをあげてもらうことにしました。
もっと警戒して、なかなか食べないかと思っていたのですが……

案外すぐ食べました(笑)
震えてはいる。でも、おやつは食べる。
そんな様子を見ていると、震えているからといって、何もかもを拒絶しているわけではないんだなと感じました。
その後もずっと私の膝の上にいましたが、しばらくするとそのまま寝てしまいました。
知らない人が来るのは怖い。
でも、ずっと緊張しっぱなしというわけでもない。
うちのコなりに様子を見ながら、「大丈夫かも」と感じていたのかもしれません。
ただ、来客やトリミング以上に大変だったのが、雨や雷、強い風の日でした。
これは「ブルブル震える」だけでは済まないこともありました。
雨・雷・強風の日は、震えるだけではありませんでした
来客や知らない場所で震えることはありましたが、特に怖がっていたのが、雨や雷、強い風の日でした。
ザーッと降る雨の音。
ゴロゴロと鳴る雷。
強い風が窓に当たる音。
雷の日は、外がピカッと光るのも苦手だったように思います。
当時寝ていた部屋は障子だったので、カーテンのように光をしっかり遮ることができませんでした。
昼間に天気が荒れた日は、留守番中に粗相をしていることもありました。
もちろん、怖さが原因だったのかはわかりません。
ただ、普段は問題なく過ごせていたので、「怖かったのかな」と思っていました。
夜はもっと大変でした。
私がそばにいても落ち着かず、右へ行ったかと思えば左へ。
また右へ、そして左へ。
「大丈夫だよ」と抱っこしてみても、落ち着くどころか「降ろしてほしい」という様子で、またウロウロし始めます。
さらに気になったのが、激しいハアハアでした。
普段、うちのコがハアハアと息をするのは真夏の外にいるときくらい。それなのに、雷や強い雨の日には家の中でも激しく息をしていました。
おやつを見せても、それどころではない様子。
「どうしたら落ち着いてくれるんだろう」
抱っこしてもだめ。
おやつもだめ。
当時の私は、どうしてあげればいいのかわかりませんでした。
窓を閉めたり、カーテンを閉めたり、できることは試しましたが、わが家ではあまり効果を感じられませんでした。
抱っこも嫌そうだったので、最後は無理に止めることをやめました。
気が済むまで、ウロウロしてもらうことにしたんです。
当時はまだ床にシートクッションも敷いていなかったので、歩くたびに爪がカシャカシャ。
さらに首輪の鈴も、ちんちろ、ちんちろ。
静かな夜に、カシャカシャ、ちんちろ。
なかなか眠れない夜でした(笑)。
今振り返ると、震えだけを見るのではなく、落ち着かず歩き回る、激しくハアハアする、粗相をするなど、いつもと違う行動も一緒に見ておくことが大切だったと思います。
犬が震えるときに考えられる主な原因
うちのコの場合は、知らない場所や人、大きな音など「いつもと違うこと」があると震えることが多くありました。

怖いときだけブルブルするわけじゃないんだよ
主に次のような理由が考えられます。
不安や恐怖、緊張
雷や花火などの大きな音、知らない場所、動物病院などで、不安や恐怖を感じて震えることがあります。
うちのコがトリミングや来客、雷などで震えていたのも、このような場面でした。
震えるだけでなく、落ち着かず歩き回る、ハアハアと呼吸が荒くなるなど、ほかの行動が見られることもあります。
寒さ
人と同じように、犬も寒さで体が震えることがあります。
特に小型犬や被毛の短い犬、子犬や高齢犬などは寒さの影響を受けやすいため、室温や寝床の環境も確認してみましょう。
興奮
怖いときだけではなく、うれしいときや興奮したときに震える犬もいます。
飼い主が帰ってきたときや、ごはん・散歩を待っているときなど、どんな場面で震えているのかを見ると原因を考える手がかりになります。
痛みや体調不良
注意したいのが、痛みや体調不良による震えです。
「保護犬だから怖がっているのかな」と思っていても、実際には別の原因が隠れている可能性もあります。
震えが続いている、元気や食欲がない、触ると痛がるなど、普段と違う様子がある場合は、自己判断せず動物病院へ相談しましょう。
震えている様子をスマートフォンで動画に撮っておくと、受診したときに状況を伝えやすくなります。
怖くて震えているとき、わが家でやったこと
震えている姿を見ると、なんとか落ち着かせてあげたくなります。
わが家でも「大丈夫だよ」と声をかけたり、抱っこしたりしました。
でも、うちのコの場合は抱っこをすると安心するどころか、降りたそうにすることも。
そんなときは無理に抱き続けず、自由に動けるようにしていました。
雷や強い雨の日には、窓やカーテンを閉めて音や光を減らすことも試しましたが、それでも落ち着かない日はありました。
「これをすれば必ず震えが止まる」という方法は、わが家にはありませんでした。
だからこそ、抱っこが安心なのか、ひとりでいられる場所が安心なのか、そのコの様子を見ながら探していくことが大切なのだと思います。
安心できる場所づくりについては、こちらの記事でも紹介しています。

こんな震えは「怖いだけ」と決めつけないで
知らない場所へ行ったときや、雷が鳴ったときなど、震えるきっかけがはっきりしている場合もあります。
でも、犬が震える原因は恐怖や緊張だけではありません。
特に、
・震えがなかなかおさまらない
・元気や食欲がない
・嘔吐や下痢など、ほかの症状もある
・触ると痛がる、動きたがらない
・いつもと違う震え方をしている
などの様子があるときは、「怖がっているだけかな」と決めつけず、動物病院へ相談しましょう。
うちのコの場合は、普段の家の中では震えることはほとんどなく、トリミングや来客、雷など、いつもと違うことがあるときに震えていました。
だからこそ、「いつ震えるのか」「震えていないときは普段どおりなのか」も一緒に見ておくと、変化に気づきやすくなります。
気になる震えがあるときは、スマートフォンで動画を撮っておくと、動物病院で様子を伝えるときにも役立ちます。
4〜5年目になると、雨や雷を怖がる様子が減っていった
そんなふうに雨や雷、強い風を怖がっていたうちのコですが、4〜5年目になるころには、以前ほど気にならなくなっていました。
留守番中の粗相もなくなり、天気が荒れた夜に起きてウロウロすることもかなり減りました。
「やっと慣れたのかな」
そう思う一方で、別の可能性も考えていました。
年齢を重ねて、耳が少し遠くなったのかもしれない。
雷や雨の音そのものが、以前ほど聞こえなくなっていた可能性もあります。
本当のところはわかりません。
だから、「こうすれば怖がらなくなる」「何年たてば震えなくなる」とは言えません。
ただ、わが家では何か特別なトレーニングをして克服したわけではなく、一緒に暮らしているうちに、いつの間にか激しく怖がる姿を見ることが少なくなっていきました。
振り返ってみると、震えるかどうかだけではなく、うちのコにとって「いつもの場所」「いつもの人」「いつもの毎日」が少しずつ増えていったことのほうが、大きかったのかもしれません。
そして今になって思うことがあります。
迎えた初日に震えなかったことと、数日後から震えるようになったこと。
一見すると不思議なこの変化も、うちのコなりの理由があったのかもしれません。
安心を知ったから、「怖い」もわかるようになったのかもしれない
今でも少し不思議なのが、うちのコが迎えた初日には震えていなかったことです。
知らない家に連れてこられて、知らない人たちに囲まれている。
今考えれば、一番震えていてもおかしくなさそうな日です。
でも、あの日のうちのコは怖がるというより、ただ戸惑っているように見えました。
「ここはどこ?」
「この人たちは誰?」
「いつもいた犬たちはどこ?」
きっと、わからないことだらけだったのだと思います。
それから毎日、同じ家で過ごしました。
同じ人たちがいて、ごはんをもらって、散歩へ行く。
そんな何でもない毎日を繰り返しているうちに、少しずつ「いつもの日常」ができていったのかもしれません。
だからこそ、病院やトリミングなど知らない場所へ行ったときに、
「ここはいつもの場所じゃない」
と感じるようになったのかな、と今は思っています。
もちろん、本当のところはうちのコにしかわかりません。
でも6年間一緒に暮らした今振り返ると、安心できる場所を知ったからこそ、「ここは知らない場所で怖い」という気持ちも出てきたのかもしれないと思うのです。
震えている姿を見ると、「まだ慣れていないのかな」「私たちのことも怖いのかな」と心配になることもあると思います。
でも、震えていることだけで、そのコとの距離を測らなくてもいいのかもしれません。
少しずつ「いつもの日常」が増えていく。
わが家の場合は、それで十分でした。
まとめ|震える姿だけで、そのコとの距離を決めなくていい
保護犬が震えていると、「まだ家に慣れていないのかな」「私たちのことが怖いのかな」と心配になることがあります。
でも、犬が震える理由はひとつではありません。
・不安や恐怖、緊張で震えることがある
・寒さや興奮で震えることもある
・痛みや体調不良が隠れている場合もある
・震えだけでなく、食欲や元気など普段との違いも一緒に見る
・気になる震えが続くときは動物病院に相談する
うちのコも、トリミングや来客、雨や雷など、いつもと違うことがあるとよく震えていました。
抱っこしても落ち着かない。
おやつにも目をくれない。

「どうしたらいいかわからない」と思ったことも何度もあります。
それでも一緒に暮らしていくうちに、「このコはこんなときに怖がるんだ」と少しずつわかるようになりました。
保護犬が震えていても、それだけで「懐いていない」と決めなくて大丈夫です。
まずはどんなときに震えるのか、そのコの様子を見てみてください。
そして焦らず、「いつもの場所」「いつもの人」「いつもの毎日」を少しずつ増やしていけたらいいのだと思います。
保護犬が家族に慣れていくまでのわが家の変化は、こちらの記事にもまとめています。

