成犬の無駄吠え・噛み癖の原因と家庭でできるしつけ対策
成犬の保護犬を迎えると、「無駄吠え」「噛み癖」に悩むご家庭はとても多いです。そもそも犬は「吠える」「噛む」を本能的に持っている生き物ですので完全になくすことは難しいかもしれませんが軽減することはできます。しかし過去の環境がわからないからこそ、理由がつかめず、どう対処していいのか途方にくれることも。
とくに子どもがいる家庭では、思わぬトラブルにならないか不安になったり、ストレスを感じてしまいますよね。
でも大丈夫。
“吠える”“噛む”には必ず理由があります。
そして成犬であっても、適切な距離のとり方や環境づくり、しつけのステップで行動はぐっと落ち着いていきます。
この記事では、問題行動の理由と改善方法、子供に対しての注意点をまとめました。


まずは信頼関係から
しつけをするには、まず信頼関係を築かなくてはなりません。保護犬は新しい家族に対して不安で混乱しているでしょうからまずはここは安全だとわかってもらいましょう。

ここではみんなが愛情をくれる、おいしいごはんがもらえる、ぐっずり眠ることができる、そんな場所を提供してあげることが最優先だと思います。

そしたらボクも安心できるね!
この場所は安心できるのかな、‘’うちのコ‘’がそう思い始めて、ようやくしつけのスタートです。

成犬が無駄吠えする理由
犬が吠える理由は、大きく分けて3つあります。
環境の変化による不安
犬は環境の変化に敏感な生き物です。新しいおうちにきて不安やストレスから吠えてしまうことがあります。
要求吠え(散歩/ごはん/構って)
家族に対して吠えているのは何かを要求するためです。遊んでほしい、ごはんを食べたい、散歩に行きたいなどねだっているのです。家族が反応すると「吠えれば自分の要求が通る」と思い込んでしまいます。
警戒・縄張り意識
見知らぬ動物や人に警戒しています。玄関チャイムの音に警戒して吠えることもよくあります。


無駄吠えの改善方法
まずは環境から
まず取り組むべきは環境を整えることです。
- 家族の動向が見えすぎて落ち着かない
- 生活音や物音が聞こえすぎて神経質になっている
当てはまりそうだったら、環境を変えることで改善できるかもしれません。
吠えたら反応しない
吠えてる間は徹底的に無視しましょう。犬は「あれ、聞こえてないのかな」と思ってさらに大きな声で吠えることもあるかもしれませんが無視です。目も合わせません。ついつい「こらっ」「わかったから」などと声をかけてしまいがちですが、これも反応している行動です。反応することで「やったぜ」と思わせてしまいます。
吠えたことに無視しつつ、様子をうかがいます。吠え止んだときに褒めてあげましょう。ここでの褒め方は大げさにせず冷静に。「何かをしてもらうために頑張って吠える必要はないんだ」と学習させるのです。
「吠えていないときに褒める」を家族で徹底するようにしましょう。吠えてる時にだれかが違う行動をとってしまうと犬が混乱してしまいます。
友人のご両親の家の犬が吠えたり噛んだりするため、しつけ教室に通うことになりました。教室ではトレーナーさんの指示をよく聞き、とても賢く問題行動もありません。
しかし家では再び吠えたり噛んだり…。原因は、ご両親が一貫したルールで接していなかったこと。「ちょっとだけ」と要求に応え続けた結果、犬が人を選んで主導権を握ってしまったのです。犬との暮らしには、かわいさだけでなく毅然とした態度も大切だと感じました。
🐾早食い防止+ストレス発散の両方に使えるので、吠えが気になる子に相性◎🐾
代替行動を教える
「吠える代わりに○○をしたら要求が通る」ようにトレーニングします。
✅吠えたら無視→座ったらおやつ→だんだんと「吠えなくても伝わる」と学習
✅吠える以外の行動を促す。「おすわり」や「まて」などのコマンドを与えて行動をコントロールする。

音刺激慣れトレーニング
玄関のチャイムに反応してしまうなら音を最小限にしてみます。興奮、恐怖、警戒などが原因で吠えていますので、チャイムが鳴っても「良いこと」があると教えます。一番小さな音に設定したチャイムを家族に鳴らしてもらいましょう。「おすわり」「まて」「ハウス」などこコマンドで落ち着かせ吠え止んだらご褒美をあげます。
チャイムが鳴ったらお座りする。そしたらおやつがもらえる!
できるようになったら徐々に音をもとの音量に戻してみましょう。

しつけの基本は信頼関係を築くことです。叱った後は優しく声掛けしたりスキンシップで安心させてあげましょう。
吠える声がご近所に聞こえてないか心配になりますよね。色々なグッズもあるので試してみてはいかがですか?少しは軽減できるかもしれません。

成犬の噛み癖が出る原因
恐怖・防衛反応
突然触られた、知らない人が近づいてきたなど恐怖やストレスを感じ、身を守ろうと嚙むことがあります。
遊びの延長
遊びの途中でつい興奮して強く噛んでしまうことがあります。
過去のトラウマ
元保護犬の場合、過去の出来事から人間への不信感が根強いこともあります。無理に距離をつめていくのではなく、まずは信頼関係から築いていきましょう。
噛み癖の改善方法
手では遊ばない
遊びの延長で噛んでしまうときは人間の手をおもちゃだと思っていることがあります。手ではなく、噛んでもいいおもちゃを与えて「噛んでいいもの」「噛んでダメなもの」の区別をつけましょう。
✨✨噛みたい気持ちをおもちゃにぶつけてもらいましょう✨✨
嫌がるタイミングを観察する
①ある特定の場所を触ると嫌がって噛んでしまうのなら病気やケガが原因かもしれませんので動物病院で確認してもらいましょう。
②恐怖心やストレスが原因ならば、威圧的なしつけをしていないか見直してみましょう。体をこわばらせている、唸っている、目をそらすなどは犬がやめてほしいな、と思っているサインです。
③所有物や食事を守ろうとしているときに噛むのなら、テリトリーにむやみに入らない。ごはんやおやつの時は触らない。
事前に距離を取る
噛まれたらリアクションをとり「あっ!」「痛い!」などと言って部屋から1分ほど退出します。噛むたびにこの行動をすることにより「噛んだら誰もいなくなる」「噛んだら楽しくないことが起こる」を学習させます。

子どもがいる家庭が特に気をつけること
犬への接し方を教える
新しい家族として犬を迎え入れたらお子さんも興奮しちゃいますよね。ついつい、触りすぎたりすることもありますが安全に毎日を過ごすために教えておきましょう。
①優しく接する
②嫌がることはしない(例 尻尾を引っ張る、マズルをつかむ)
③食事中は離れて触らない
④おやつを勝手にあげない
子供がしがちなNG行動
①予想外の動きをする
②大きな声(甲高い声)を出す
③触り方が荒っぽい
④しつこい
嚙みつく前兆サイン3つ
①唸りながら牙を見せる(唸り声だけでも要注意)
②視線をそらして口をなめる
③フリーズする
犬がこのようなサインを出していると痛みや不快感、恐怖心、ストレス、縄張り意識や身の危険を感じていると考えられます。お子さんが一緒にいる時は距離を置きましょう。


やってはいけないNG対応
叩く・怒鳴る
叩いたり蹴ったりすることは絶対にNGです。暴力で犬の行動が改善されることはありません。恐怖で一時的に委縮しているだけで解決できていません。大声で怒鳴ることも同じです。保護犬を迎え入れたなら過去にも辛い思いをしているコたちです。どうぞゆっくり冷静に対処してあげてください。

必要最低限の静止はOKだと思っています。
名前を呼んで叱る
「○○ちゃん、ダメ!!」など、名前を呼んで叱っていませんか?犬が自分の名前に嫌なイメージを持つことで名前を呼んでも反応しなくなったり、呼び戻しができなくなることもあります。「駄目!」「こらっ」など名前を呼ばず、短めの言葉で叱ります。褒める時や楽しいときに名前を読んであげましょう。

叱るときは名前を呼ばないようにしなきゃ…
クレート閉じ込め(問題行動強化)
閉じ込めるなどの行為は、犬が安心できる場所であるクレートに恐怖心を感じ、犬が攻撃的になってしまう可能性があります。
噛まれた時の危険度ライン
- Lv1:空噛み(パクッ)
危険度 ★☆☆☆☆
距離を取るサイン - Lv2:歯が皮膚に当たる
危険度 ★★☆☆☆
環境調整が必要 - Lv3:浅い穴(1〜4つ)
危険度 ★★★★☆
子ども接触NG/プロ相談 - Lv4:深い穴・裂傷
危険度 ★★★★★
緊急対応対象
噛みつきレベル/家庭の危険度
★結論:Lv3以上は家庭単独で対処しない
プロに頼むべき目安
- 出血レベル
- 家族の安全が脅かされる
- 攻撃タイミングが読めない
犬のしつけに行きづまった時は、プロの力を有効活用しましょう。悪い流れを断ち切り良い循環が生まれる可能性があります。犬の問題行動に応じた臨機応変な対応をしてもらえます。
さいごに
無駄吠えや噛み癖は「ヒマ!」「不安…」「わかって〜!」という犬からのSOS。
原因を観察し、環境を整えて対応していけば、成犬でもちゃんと落ち着いてくれます。
とくに保護犬は、過去にいろいろあった子も多く、少し時間がかかることも。あわてず、あせらず、深呼吸(飼い主が)。
「これはもう、私じゃムリ!」と思ったら、専門家に頼ってOK!それは逃げではなく、大人の対応です。
吠える子も噛む子も、安心できる場所と“ぶれない家族”がいれば、行動はゆっくり変化します。
今日の一歩は、明日の静かなリビングにつながるはずです。

