保護犬を迎えるなら|子犬と成犬、それぞれの違いと向き合い方
「保護犬を迎えたいけれど、できれば子犬がいいな」
「トイプードルやチワワの子犬って、保護施設にいるのかな?」
そんなふうに思う方はきっと多いと思います。
けれど、実際に保護施設で人気犬種の子犬に出会えることは、とても少ないのが現実です。
この記事では、その理由と背景、そして成犬を迎えるという温かい選択についてお話しします。
【なぜ人気犬種の子犬が少ないのか】
ペットの流通
日本のペット業界では、トイプードルやチワワといった人気犬種は、ブリーダーからペットショップへ流通します。子犬のうちは需要が高く、高額で売れるため、保護施設に来る前にほとんどが市場に出回ってしまうのです。
人気の犬種はどうしても売れやすいため、もっと儲けたいと考える業者の中には、親犬を狭いケージに押し込めて繁殖させるところもあります。
衛生管理や健康管理が行き届かず、結果的に保護団体がレスキューに入る事もすくなくありません。

ボクは繁殖犬だったみたい…
そのため、保護施設にいる犬の多くは成犬やシニア犬。飼い主の事情による飼育放棄や、繁殖犬として役目を終えた犬が中心となります。
【子犬が保護されるケース】
例外的に人気犬種の子犬が保護犬として譲渡対象になることもあります。
- 多頭飼育崩壊で産まれてしまった子犬
- 飼い主がやむを得ず手放した子犬
- 身体的特徴やハンデのある子犬
ただし数はごく少なく、募集が始まるとすぐに希望者が殺到するため、譲渡のハードルは非常に高いのが現実です。
【雑種犬の子犬は多数】
野犬が産んだなど、子犬自体はたくさんいます。
私が行った譲渡会では子犬は雑種犬のみでした。
近くで「トイプードルの子犬はいないんですか?」とスタッフの方に
質問された方がいらっしゃいました。
「純血種の子犬はいません。ペットショップじゃないんで」
との返答でした。
私もこの時はよくわかってなかったので
この会話はとても印象的でした。
人気犬種の保護犬はいる?
ミニチュアダックスやポメラニアンなどの人気犬種でも成犬やシニア犬であれば保護施設や譲渡会で見かけることもあります。
ただし「子犬で、人気犬種で、条件の良い子」を探そうとすると、ほぼ出会えないと思っておいた方が良いでしょう。
成犬と子犬の選択肢
成犬という選択
保護犬を迎えるというのは、「かわいい子犬を無料でもらうこと」ではありません。
居場所をなくした犬に、もう一度“家族”というぬくもりを届け、最期まで一緒に生きていく――その覚悟が大切です。
私がうちのコを迎えたとき、同僚からよく聞かれました。
「え、子犬じゃないの? なんで?」と。
確かに、子犬は愛くるしい存在です。
つぶらな瞳、ヨチヨチ歩き……見ているだけで、自然と笑顔になりますよね。
でもね、成犬も本当にかわいいんです。
私は成犬を迎えた身として、胸を張って言いたいのです。
成犬も、子犬となんら変わりません。
愛しさとかわいさがあふれて、心が追いつかないほどです。
お散歩やしつけが大変なときもありますが、それでもカワイイんです。
それは、子犬でも成犬でも同じこと。
中には、すでにトイレトレーニングができていたり、
お散歩も上手にできる成犬もいます。
だから、「子犬じゃないから」という理由だけで
成犬を選択肢から外してしまうのは、少しもったいない気がします。
むしろ、ある程度のしつけができていて、落ち着いているからこそ、
「成犬もいいかもな」と思ってみてほしいのです。
繰り返しますが――成犬、ほんとうにめちゃくちゃ可愛いですからっ!
5年たってうちのコ、の変化
うちのコ、は少々根暗な感じでしたがはじゃぐようにもなりました。
ひょうきんだったり、がさつだったりするところも見えてきました。
閉ざされた心が開いていくのを5年たった今でも日々感じています。
少しずつちょっとずつ、どこかの距離が縮まっていくのが
嬉しいのです。
例えば1回目の冬はお布団の足元で一緒に寝ていたのが
3回目の冬で布団の中に入ってくるようになりました。

お布団の中サイコー!ダッシュで入っちゃうよっ
去年まではテレビを見てると近くにはいるけど届かない距離。
最近は必ずどこか、ちょーっとだけ触れる距離にいるなど
今でもまだまだ仲良くなれるな、と思っています。
さいごに
ペットショップで犬を迎えることを、否定するつもりはありません。
ショップに並んでいる子たちにも、素敵な家族との出会いがあることを願っています。
ただ、保護犬を迎える、成犬を迎えるという選択肢もあるということを、
ぜひ知っていただきたいのです。
- 子犬を迎えるのも素晴らしい選択
- 成犬を迎えるのも温かい選択
迎えたわんちゃんを家族として共に過ごし、
愛情をかけて最後まで一緒にいること、
それが一番大事なことです。

